飲食店激戦区である鹿児島・天文館エリアにあるお食事と酒処 鳥夢。
多数の常連客で賑わう店舗のオーナー立山さんに話を伺った。
専門学校からNECへ SEとして勤務
高校卒業後、コンピュータ系の専門学校へ進んだ立山さん。「これからの時代はコンピュータだ!と思い、進学しました。同世代にはソフトバンク孫さんとか、ビルゲイツとか。同じ8ビットのPCを見てみんな打ち震えてたよね。僕は打ち震えなかったけど(笑)」とおどける。
専門学校卒業後、大手電機メーカーNECでSEとして勤務する。地元・出水に勤務先があったことも大きい。「SE時代は鹿児島以外にも、東京で数年間、システム構築でタイにも数ヶ月勤務しました」
日本・世界を周り、蕎麦の道へ「蕎麦はシステムだ」
その後NECを退職し、日本・世界を旅した。
「旅する中で、日本って良いな、鹿児島、出水って良いなと感じました。鹿児島へのアイデンティティも高まりました。」
著名な経営者の書籍を読み、独立を目指す。「松下幸之助さんとか稲盛和夫さんとかの本を読みました。本を読んだり、旅をしたりする中で、自分で道を切り開いて行きたいと考えるようになりましたね。」
40歳の時に、地元出水の名産でもある蕎麦(そば)を打ち始める。それまで料理の経験はゼロ。
「SEだったから、システムなことは出来る。蕎麦ってシステムと一緒なんですよ。各プロセスの積み重ねで、そばが出来上がるので。」
地元・出水で飲食店を開業。好調な時に発生した鳥インフルエンザ
40歳で飲食店を開業。3店舗展開した。
「地域おこし的な意味合いでも、飲食店をオープンしました。地元を盛り上げたいなと。そば粉は地元・出水のものを使用して。蕎麦はもちろん、ちゃんぽんも人気でしたね。」と話す。
事業も軌道に乗ってきたころに、出水で発生した鳥インフルエンザ。鳥インフルエンザの発生で、営業休止を余儀なくされた。
「お客さんが増えてきた頃だったので、営業休止は大打撃でした。出水である以上、毎年鶴は飛来してくるので、鳥インフルエンザのリスクはある。」
その頃、取引銀行から鹿児島市の空きテナントを紹介される。「中央ビルでどうですか?」
中央ビルで鳥夢を開業 鹿児島市内向けの味にアレンジ
挑戦してみようという気持ちで、出水市から鹿児島市へ移り、鳥夢を開業。
「3ヶ月やってみようと思っていましたが、皆さんのおかげで鹿児島市内に移り3年が経ちました」と話す。
鹿児島市内へ移動した直後は、自分の味が通用するのか不安だった。鹿児島市と出水市は直線距離でおよそ60km。同じ鹿児島とはいえ味も違えば文化も違う。
「鹿児島市内にある色んな人気店を回りました。元々、味には自信があったので、鹿児島市内でも喜んでもらえるように、醤油も、作り方も、出汁の配合も変えました」
現在は、鹿児島の人はもちろん、単身赴任者の常連客も多い。「『ただいま』『おかえり』って言い合うような、アットホームなお店です。」と笑顔で話す。
「一目でわかった」鹿児島うんまか豚の良さ
鹿児島うんまか豚のどこを気に入っているのか伺った。
「この商売をずっとやっていると見てわかります。これは良い豚肉だって。お客さんからも好評です。」と嬉しい言葉。
普段は豚肉を食べないというスタッフの方も、「甘くて美味しいから、オーナーにお願いして個人的に買ってます(笑)」と話す。
周りの人に、周りの食材に恵まれた
人に、食材に恵まれたと話す立山さん。「鹿児島市内に進出できたのも、妻のひと押しがあったから。1人じゃ何も出来ない。妻や周りのスタッフ、そして食材のおかげでやっていけています」
自分を甘やかさない「マラソンを走る気力があれば仕事もできる」
健康作りのためにマラソンを続ける立山さん。昨年、51歳でフルマラソンの自己ベスト3時間28分という好記録を残す。
「自分を甘やかしてしまうと、仕事にもその甘えが出てしまいます。フルマラソンを走れる気力・能力があれば、仕事もできると思ってます。」今でも、マラソン大会がないオフシーズンには体力作りのためのトレーニングは欠かさない。
自分を甘やかさず、鹿児島を盛り上げるため、お店一丸で提供し続ける立山さん。
これからもアットホームなお店で素敵な食事と時間を楽しみたい。
写真:川越 亮 文:寺師 大策
寺師のもつ鍋 通販・お取り寄せ
お食事と酒処 鳥夢(とりむ)
住所:鹿児島市山之口町1-10 鹿児島中央ビル B1F
営業時間:11:00~14:30 / 17:30~21:00
定休日:日曜
Tel:099-295-6484
Update on : 2017.06.25